すべての病は三大原因の乱れから始まる。

泰心堂の10年、3万回以上の施術経験から めまい、頭痛、自律神経系の不調をはじめとしたあらゆる症状は三つの歪みから生じていることが分かりました。

 
 初期の泰心堂は、鍼灸師として経絡、気血など東洋哲学に基づく東洋医学 鍼術、灸術を専門とした施術を提供していましたが、年々、「今までならこの手順でよくなっていたのに、ペースに乗ってこない患者が増え始めた」という感触から、どうすればより効率的に状態をよくすることができるかを検討、研究する過程の中で、三つの大きな原因に注目することになりました。
 
 その三つの大きな原因とは

  1. 脳脊髄液循環状態
  2. 上部頚椎の状態
  3. 経絡の気血の循環状態

以上の三つになります。
 
1.脳脊髄液の循環状態
 
 もともとは、カイロプラクティックオステオパシーの健康の基準の一つ。
 脳脊髄液(CSF)とは、頭蓋骨内(脳室)で作られる脳脊髄・神経系の保護液であり、背骨を介して、体に吸収され、体を滋養する体液。
 
 この流れが悪くなると、
 

  • 蓄積疲労の発生(眠りが浅くなる、筋腱での吸収量力が落ちる)
  • 体の動きが悪くなる。(筋力低下、関節可動域が狭くなる)
  • 体の運動機能低下(体熱の低下、冷え、運動時のパフォーマンス低下)
  • 内蔵の機能低下(疲労回復力低下、蓄積疲労の発生)
  • 頭部拡大(うまく循環できないので、頭部=産生元で停滞する)
  • 脳機能低下(頭蓋内圧が高くなり、脳圧迫、眼部圧迫)
  • 自律神経系の不調
  • 蓄積疲労による負のスパイラル

 
などが生じます。
 
2.上部頸椎の状態
 
 カイロプラクティックの健康の基準の一つ。泰心堂が学んだ積聚治療では頚部うっ血の処置とし処置する場所で、痼疾=古く、こびり付いた病の状態が現れる反応点として使います。。
 脳―神経系を考えたとき、後頭部―上部頸椎(第一頸椎=環椎、第二頸椎=軸椎)とで構成される関節は最重要ポイントであり、最終メジャー(原因)として上げられることも多い。※上部頸椎カイロプラクティックの創始者B.J.パーマーは最終メジャーではなかったと指摘しています。
 
 上部頸椎のバランスが崩れると、脳神経の伝達システムに異常が生じ、脳の信号が上手に体に伝わらない、あるいは体からの信号が脳にうまく伝わらないという状態が生じ、その歪(ひずみ)が体の機能を低下させ、様々な症状を発生させると考えます。
 
 たとえば、慢性的腰痛、肩こり、頭痛、背部(背中の)痛、自律神経系の乱れ、不定愁訴など体に様々な不調が起こります。
 
 背部の揺動、あるいは骨格調整鍼を用いて、背部を調整することにより、間接的に上部頸椎を調整することで、安全かつ、即効的に整えることができます。
 
 上部頸椎を整えることで、脳神経の伝達システムが回復し、自律神経系が活性化されることにより、体の状態を認識可能な状態になり、体に備わっている自律神経調整機能・免疫システムにより修復が促進されます。
 
3.経絡の状態
 
 東洋哲学に基づく鍼灸では、蔵府―経絡論を重視します。
 特に私のルーツの一つでもある経絡治療においては、経絡の異常(変動)が病であると定義されています。※根本的な定義は経絡の変動=病のみ
 
 体に不調が生じると、不調と関係する蔵府、経絡など体のあちらこちらにに異常反応が現れるので、それをみて、気血(生命エネルギーのようなもの)の状態を考え、経絡、気血のバランスを取るように刺激を加えることで、経絡の異常反応を抑えることで、体の活性化や疲労回復を促し、症状を自分で直すように仕向けるのが鍼灸の理論です。
 
 泰心堂式では、従来型の経絡治療(本治法、少数鍼方式)に加え、背部兪穴や華佗狭脊穴などを背部にある経穴(ツボ)を利用した骨格調整鍼による脈への影響、全身への影響やアプライドキネシオロジー、タッチフォーヘルスなどで使われるクラニアルポイント(頭蓋骨反射調整点)などへの刺激による脈・全身への影響などを検討した結果、脈平らかを目指すのではなく、Zero-Positionを目指すべきだと考えるようになりました。
 
 Zero-Positionに戻すから、Zero-Reset。
 
 Zero-Positionとは中庸・均衡がとれている状態のこと。
 過不足がない状態であり、異常な緊張が取れ、異常な弛緩(筋の弱化など)が取れた状態のことをZero-Positionと呼び、それは脈、圧痛反応の変化や動作の改善、可動域の変化などからも類推することができます。
 そしてそれはキネシオロジストの使う筋反射テストでも確認することができます。

 
 この筋反射テストは自律神経系に作用し、本人が意識していない情報も施術者の知識量い合わせて返してくれるので非常に重宝します。
 
 泰心堂式の経絡調整術 Zero-Resetは、経絡、経筋、経皮など東洋医学的な概念はもちろん、全身の筋緊張に対して作用するので、筋腱の過緊張や別の筋腱による牽引、筋腱自体の弛緩などによる体の見掛け上の歪みやそれにより発生するストレスに対しても有効です。
 
 めまい、頭痛においても、経絡論的に十二(※奇経を入れると十四)のゾーンに分かれる頭痛のパターンのいずれかを経絡的に特定し、キネシオロジーのテストや体の見掛け上のゆがみなどで検算することで、どういった歪みやストレスから症状が派生しているのかを的確に判断できるシステムになっています。

問診~術前検査~施術

どこから体の歪み(ひずみ、ストレス)が始まるのか?

三大原因である、 脳脊髄液循環の問題、 上部頸椎の問題、 経絡循環の問題ですが、実はそれぞれに合わせた調整が必要です。

 
 発生学的に考えた場合、脳・脊髄が最初であり、次いで体を作る内臓系、そして体を支える筋骨格系、最後に経絡。経絡は体の発達とともに分化すると古典で説明されており、それが正しいとするのならば、体の機能を十全に引き出すことができる年齢というのが経絡の成立ということになります。奇しくもこの年代が、ゴールデンエイジと呼ばれる7~8歳前後に当たります。
 
 であれば、まずどこから体の歪み(ひずみ、ストレス)が始まるのか?
 
 それは発生=生まれた時点です。
 生まれた時点で、まずその人の生まれ方、生まれたときの形状により、癖が生じ、特有のストレスのかかり方が生まれます。これはクラニアルテクニック(頭蓋骨調整術、カイロプラクティックの理論やオステオパシーの理論)でもよく説明されることです。
 
※正確には第一頭位、第二頭位と呼ばれる子宮内の頭の位置により圧迫ストレスのかかり方が変わり、特有のゆがみが発生するとされる。
 
 ちなみに私の恩師の一人、積聚会の会長 積聚治療の創始者 小林詔司は生まれるとき、産道を通るときに頸椎にかかるストレスが最初と言っていました。これは上部頸椎カイロプラクティックの代表的手技HIOテクニックの方などと同じ主張です。
 
 頭蓋骨が下向きになり胎内にいるわけですから、その形状上、前頭部(前頭骨)に強い負荷が掛かった状態で人は生まれてきます。
 
 その歪み方で生来弱い臓器やかかりやすい疾患が決まってくると述べる人もいます。
 
 このへんは諸派あるので割愛して
 
 発生学的に考えても、
 
1.脳・神経系(脳脊髄液)
2.上部頸椎(脳神経の伝達システム)
3.経絡(内臓、筋骨格、運動機能、代謝機能、全身の血管など)
 
の順に歪・ストレスが始まるということです。
 
 なので調整を行う場合は、症状と体の状態を鑑みて、どのレベルの調整が必要なのかをまず確認することが大きなポイントになります。
 

脳・神経系の調整で大事なことは、脳脊髄液の循環状態。

 脳脊髄液は、脳室でつくられ、頭蓋骨の一次呼吸という屈曲伸展のリズムによって全身へと押し出され流れていきます。
 体の方で歪みが生じると、脳脊髄液の循環や吸収機能が落ち、関節の可動域が狭くなったり、疲労回復力が落ちていきます。その結果、歪みがきつくなり、次第に滞るようになります。脳脊髄液の循環状態が悪くなると流れていく先がなくなるので、頭蓋骨内に脳脊髄液が過剰に溜まり内圧を高めて頭を拡大させます。さらに内圧が高くなると伸縮性の薄い膜に抑えられて、今度は脳に対して圧力を強めていき、結果として脳圧迫による脳機能低下が生じ、神経系の作用が落ち、免疫機能が低下し、疲労回復力も一層低下し、病という名の負のスパイラルに陥っていくといわれています。
 クラニアルテクニック(頭蓋骨調整による脳脊髄液調整術)では頭蓋骨に対して直接的、あるいは間接的に圧力をかけることで、一次呼吸という頭蓋リズムを正常化するとともに頭蓋骨と体の関連性を利用して、脳脊髄液の循環ルートの健全化を図ります。
 

上部頸椎の歪みは神経伝達システムを乱れさせる。

 上部頸椎とは第一頸椎、第二頸椎のことを指します。第一頸椎は環椎、第二頸椎は軸椎と呼ばれ環軸関節という特殊な関節を構成する頸椎です。この環軸関節と後頭骨との間から脳神経が出ており、脳を中心とした脳神経系の要所を構成する部分です。
 ここい歪み(ひずみ)が生じることで、神経系に圧迫ストレスを生じさせ、以下の神経伝達に障害を発生させしめるというのが上部頸椎カイロプラクティックの理論です。
 なお、第一頸椎、第二頸椎の変位のパターンは168通りあり、非常に複雑で行動な技術と繊細な力加減を要求される非常に難しい調整部位です。
 泰心堂方式では、頸椎ではなく、補正的にずれている背部を揺動、骨格調整鍼を行うことで逆説的に頸椎の調整を行うことで直接頸椎に対して刺激することなく、また安全に上部頸椎の調整を図る方法を採用しています。
 

内臓をはじめとする全身の筋・神経に作用する経絡調整

 鍼灸のもっともよいところは、全身の筋に対して作用することです。この筋は当然内臓を構成する筋群も入りますし、体を支える抗重力筋、体の動きを制御する随意筋などの骨格筋、そして筋と繋がる腱、筋に栄養を運び、疲労物質を回収し、熱を体中に分配する血液・血管。そしてそれらに命令を与えたり、体からの情報を受け取る神経系に対して強い影響を及ぼします。
 マッサージや指圧、あん摩、その他よくわからない揉み療治的な整体と比べて、非常に細い鍼一本で大きな影響を与えらるのが鍼灸の強みです。
 当然、それだけ影響力が強い調整術なので、安全には十分に配慮すべきです。
 泰心堂では、短時間×最適手順×少数穴調整を基本としていますので、患者側の負担、そして施術者側の集中力と安全に対する配慮を含めて十分な安全マージンを取っています。

泰心堂式では、三大原因のいずれに問題が生じているかを判断するので、他にはない三段階の分析方法と調整方法を用意しています。

1.脳脊髄液レベル

 
 脳脊髄液の循環の不調の指標は、次の徴候から確認されます。
 
○頭部の重さ
○頭部拡大傾向
○関節可動域の縮小
○運動機能の低下
○筋反射の低下
○睡眠の質の低下
○疲労回復力低下と蓄積疲労の発生。
 
 問診、動診、筋反射テストなどを通じて、脳脊髄液の循環に不調が生じていないかを判断基準に即して判断し、前頭部、後頭部、側頭部を意識した調整を行うことで脳脊髄液の循環を正常に戻していきます。
 調整自体は数秒から~3分ほどの短時間で体に負担なく調整することができます。
 
 わかりやすい結果としては、頭部の重さが軽くなり、最初に測った大きさが小さくなり、関節可動域が拡大し、筋反射が正常化します。
 頭部拡大、脳圧迫による脳機能低下などにより引き起こされている頭痛・めまいに対して非常に有効な調整法になります。
 
2.上部頸椎レベル
 
 上部頸椎の歪みから生じる諸症状の指標は主として三大指標の検査を行うこと、背骨の見かけ上の歪みを検出することです。
 
○上部頸椎に対する圧痛検査
○僧帽筋上部の圧痛検査
○アキレス腱に対する圧痛検査

○背骨の見かけ上の歪みの検出
 
 主として圧痛検査と触れることによる形状観察により上部頸椎の歪から補正的にずれている背骨とその程度を把握します。
 
 泰心堂のクライアントの場合、僧帽筋上部の圧痛検査の反応が強く出る方は珍しいのですが、上部頸椎の圧痛、アキレス腱の圧痛が強くでるタイプのめまい・頭痛の方はこの上部頸椎調整を採用しています。
 
 上部頸椎調整自体は、背中を揺らす揺動法あるいは症状にもよりますが鎮痛効果が高い骨格調整鍼を用います。時間にして5~7分ほどの短時間、低刺激調整なので、子供から大人、年配の方にも無理なく施術を受けていただいています。
 
3.経絡レベル
 
 めまい・頭痛の場合は経絡を意識した調整が必須。
 めまいのパターンは概ね六パターン、頭痛の場合は十二パターン(奇経パターンを入れると十四パターン)に集約されます。
 頭痛のタイプに応じた経絡を調整することが基本ですが、泰心堂式の経絡調整術Zero-Resetの場合は、強い関係性をもつ二つの経絡のバランスを取るように調整するので実質的にめまい三パターン、頭痛六パターンの調整を行うことで症状の改善を目指します。
 
 論理式を用いてざっと計算すると頭痛パターンなどは配穴なども合わせると何千通り、それ以上にもパターンを作ることは可能ですが、10年にわたる現場経験の中で複雑に展開すること自体に意味がないことに気づき。より効果的なパターンの検出、より少ない刺激箇所での調節を考え、現在のめまい三パターン、頭痛六パターンに落ち着きました。
 
 泰心堂では従来型の経絡治療に疑問を持ち、独自形式へと変化させることでパターンの簡略化、効率化、再現性向上を実現させています。
 
 なお、判断基準は次のものを基本に必要に応じていくつかのテストを追加しています。
 
○泰心堂式の脈診 ※専門学校などで習う六部定位比較脈診ではない。
○十四部位の圧痛テスト
○経絡病証(特定の経絡の変動が起こると生じるといわれる症状と経絡の比較検討)の判定
○患部の所属経絡分析
○筋反射テスト:主として入江式FTの変形、TRテスト、三角筋テスト、大腰筋テストなどを用いる。
など
 
 脈診偏重型や症状分布からの対処療法的処方を行う治療院が多い中、泰心堂では常に複数指標の比較検討を行うことで、判断の精度を高めるようにしています。

 施術の事前準備の段階で各指標を確認し、どのレベルの調整が必要かを判断していきます。たとえば1.と3.のレベルから問題が派生している場合は脳脊髄液調整術経絡調整術を組み合わせる形になります。